歌詞のアクセントは、いつ頃から本来の言葉のアクセントから乖離していったのだろう?

ロック少年だった私には、心当たりがある。たぶん、日本で最初のロックバンドと呼ばれている はっぴーえんど あたりからではないかと。

 

 

 

昭和の昔、NHKで「夢であいましょう」という音楽バラエティがあった。その主題歌の「夢であいましょう」は、覚えていらっしゃる方も多いはず。

この歌では、「ゆめ」の「め」にアクセントがある。音階も「め」の方が「ゆ」よりも高い。

 

ところが、1976年、大瀧詠一(はっぴーえんど出身)が作詞作曲し吉田美奈子が歌った「夢で逢えたら」になると違う。

「夢でもし逢えたら」の「ゆめ」は、「ゆ」にアクセントがある。音階は、「ゆ」は「め」よりも高くなっている。

 

5年後(1981年)の来生たかおの「夢の途中」では、アクセントは元に戻っている。

「ほんの夢の途中」の「ゆめ」の「め」にアクセントがある。音階も「め」の方が「ゆ」よりも高い。

この時点では、アクセントを考慮しない歌詞やメロディの作り方は定着していなかったに違いない。