昭和50年4月5日、NHKホールでザ・ピーナッツのさよなら公演が行われた。その時、或るシャンソンを歌おうとして、言葉が涙で掠れてしまった。そのシャンソンとは?

それは、シャルル・アズナヴールの『帰り来ぬ青春』だった。歌詞は、アレンジされていた。


愛する人に出会い

愛されることを知り

それでもその愛を断ち切って

泣いたこともある

さよなら よき友

さよなら よき人よ

ふたりで一緒のあいさつはこれが最後

さよなら お姉さん

さよなら 妹よ

ふたりで一緒の人生ともお別れ


引退後、ふたりは表舞台から姿を消した。楽譜はすべて焼いたと言う。