和製シャンソンなんて、適当に名付けたんだろ、遊びはやめなさい、とおっしゃる方、ぜひ以下の説明を聴いてください。

和製シャンソンには、伝統があり、著名な詩人が関与しているのです。

 

 

和製シャンソンは、日本のシャンソン運動がきっかけで作られ始めました。フランスのシャンソンは庶民による庶民のための歌であるという原点に立ち返り、皆でシャンソンを作ろうというムーブメントだったわけです。
この運動によって誕生した曲は、シャンソニエ「ジロー」(お茶の水)で定期的な発表会で披露されたり、何曲か集めてホール・コンサートを行ったりしていました。

 

もともと詩人の作品が歌詞として歌われるべきだと提言していた谷川俊太郎が作曲家・武満徹と組んで作ったり、寺山修司が故郷・青森の土俗をテーマに作曲家・寺島尚彦と組んで作ったりして、この運動に積極的に参加していました。

その寺島尚彦は、後に、石井好子の沖縄公演にピアニストとして随伴し、その時の印象をもとにして、自ら作詞・作曲して「さとうきび畑」を作りました。

 

和製シャンソンには、こうした伝統があるのです。