伊藤咲子の「木枯らしの二人」(1974年12月)は、ロシア歌謡を思わせるリズムとメロディだった。

阿久悠・作詞、三木たかし・作曲なので、あの年代の人はロシア民謡・歌謡をよく知っている世代だ。その下の団塊の世代の人たちは、歌声喫茶できっとロシアの歌を歌っていただろう。私たちの世代は、テレビでダークダックスが歌っていた印象が強い。

 

 

「木枯らしの二人」の次にリリースされた「青い麦」もなんだかロシアっぽい感じがした。

そこから、伊藤咲子は、あの異色な「乙女のワルツ」を経て、「君かわいいね」や「いい娘に逢ったらドキッ」といういかにもアイドル歌謡に向かった。

 

ロシアからいつになったらヨーロッパに来るのだろうと思っていたが、ようやく1976年10月に「想い出のセンチメンタルシティイ」がリリースされた。

「ベージュ色した枯葉が舞う」というところで、私はパリを想った。

 

 

 

 

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