昭和32年生まれの私の場合、思春期になった頃には美空ひばりは既にオバサンになっていた。もちろん、未だ30代の前半なのだが、南沙織や天地真理をテレビで観ていた中学生からすると、異性としての意識は無かった

 

 

その頃の大人たちはどうだったのだろうか?

美空ひばりのセクシャリティについて語られたのを私は聞いたことも見たこともない。

デビュー当時から「大人こども」みたいだったし、お色気ムンムンの歌も少なかっただろうし、途中からは歌謡界の女王だし、紅白のトリだし、性的興味の対象として観ていた人が多いとは思えない。

「お嬢」という呼び方そのものが、ステージママの加藤喜美枝を意識したものだったろうから、国民的「お嬢」から国民的「女王」になり、そして国民的「不死鳥」になったわけで、セクシャリティを感じた人がいたとしても、語るのが憚られたのではないだろうか。

 

 

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