松本隆は独特の歌詞を書く。他に聴いたことがないような。

私がもっとも優れた歌詞だと思っているのが、松田聖子の「瞳はダイヤモンド」だ。

 

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「映画色の街」ってどんな色のどんな街なのだろう?

実際の目で見ているのに、なんだか映画で観た街のように見える、現実の世界とは思えない、嘘であって欲しい、そんな気持ちをこの短いフレーズで表現している。

 

「美しい日々が切れ切れに映る」

これは、映画の回想シーンでよく使われる細かくカットされたこま切れの映像のことだろう。彼との恋愛は、この街で繰り広げられたに違いない。だから、今見ている現実の街に過去の彼との様々なシーンが切れ切れにダブって映るような気がするのだ。

 

「いつ過去形に変わったの?」の「過去形」は、歌詞冒頭の「愛してたって言わないで」の「愛してた」を指している。「愛してる」ではなくて「愛してた」なのだ。

 

こんなに短い歌詞の中にいろんな意味が込められていて、それをトップアイドルが毎日のようにテレビで歌うというのは、画期的なことではないだろうか?

演歌のような、お決まりの場面とお決まりの言葉がでてくるものと対極にある気がする。

 

 

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