1960年に日本レコード大賞が制定された。
それで日本歌謡界が直ぐに変わったというわけではないが、その年が一つの転換点となったのは確かなことだ。
レコード大賞の第一回のグランプリは、水原弘が「黒い花びら」で獲得した。
その何が画期的だったかと言うと...
作詞が永六輔、作曲が中村八大で、ともに20代の若手だった。つまり、世代交代が始まったわけだ。
もう一つが、その2年前(1958年)から始まった日劇ウエスタンカーニバルの影響力だった。いわゆるロカビリー・ブームだ。
水原弘は、ロカビリー出身だった。その後、六輔・八大・九のトリオとなる坂本九も実はロカビリー出身だった。
後に作曲家となる平尾昌晃もそうだ。
もはや戦後ではないと言われ始めた60年代初頭は、新しい才能が芽生え始めた時期だった。