松田聖子は、デビュー以来海辺の歌を唄い続けた。

それはイメージ戦略だったに違いない。

シングルで言えば、7曲目の「風立ちぬ」で初めて海辺を離れた。堀辰雄の小説をイメージしたのであれば、軽井沢が舞台となる。「高原のテラス」とか「振り向けば色づく草原」というフレーズは、それを表している。

 

 

逆に言えば、よくシングル6枚も海を描いた歌を続けられたなと感心してしまう。

3枚目の「風は秋色」などは、後から思い出すと、海が出て来たかなぁ?と思ってしまうのだが...

ちゃんと、「忘れるために訪れた海辺の街」とか、「冷たい砂 足跡振り返れば」と出て来る。

4枚目の「チェリーブラッサム」でも「走り出した船の後 白い波踊ってる」とか「夕陽は今 夜のために 水平線 沈むのよ」とある。

この徹底しているところが素晴らしい。