シンガーソングライターではないシャンソン歌手(アンテルプレットと呼ぶ)、例えばジュリエット・グレコやイヴ・モンタンは、アーティストとして大したことはないという批判は的を得ていない。
アンテルプレットは、シャンソンにおいて重要な役割を果たしている。
そもそも作家(作詞家・作曲家)は、特定のシャンソン歌手(アンテルプレット)をイメージして歌を作ることが多い。歌手のキャラクターは、シャンソンにとって重要な要素である。
また、どの歌を歌うのか、どういう風に歌うのかは、シャンソン歌手(アンテルプレット)の裁量に委ねられている。
自分の歌として歌い方を確立することをクレアシオン(創唱)と呼ぶ。この作業は、芸術の一種だと思う。
シャンソン歌手が自分で歌を作詞・作曲していないからアーティストとして下等だと言うのなら、シューベルトら作曲家が作った歌曲を歌うクラシック歌手とどう違うのかを説明して欲しい。彼らも既成の曲を歌っているのだから。
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