山口百恵は、阿木燿子・宇崎竜童コンビの作品により、ライバルを蹴散らしトップアイドルになったと言っても過言ではない。
「横須賀ストーリー」に始まり、「イミテーション・ゴールド」、
「プレイバックPart 2」、そして「さよならの向こう側」に至るまで彼ら二人の楽曲が中心だった。
ただ、百恵が結婚・引退の決意を伝えたことで、宇崎竜童はそれまでのやる気が一気に失せてしまったと言う。どうしてなのか?
彼女の幸せの筋書きは、ぜんぜんロックではなかったからだ。
結婚という形式にとらわれず事実婚で押し通すとか、子供ができてもアン・ルイスみたいに歌うとか、そういうのがロックなので。
だから、彼は、「ロックンロール・ウィドー」で、婚約発表したばかりの百恵にロックの上だけ未亡人にしてしまった(笑)。
宇崎は、後になってこう言っている。
「人は山口百恵を通じて歌謡曲がロックを取り込んだと言ってるけど、俺はロックが歌謡曲を取り込んだと思っている。」
これが彼のロックンローラーとしての矜持なのだった。
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