平岡正明の著書「山口百恵は菩薩である」(講談社)によれば、1979年の山口百恵は、桜田淳子、森昌子、アグネス・チャン、麻丘めぐみらの同性同年代歌手をごぼう抜きにし、先行する天地真理、小柳ルミ子、南沙織を陥没させ、沢田研二を追いつめて男性歌手の牙城をおびやかし、艶歌から時の流れのハンドルを奪い、韓国勢をはね返し、ニューミュージックの良質の部分を吸収して、いしだあゆみを抜き、越路吹雪を抜き、西田佐知子の全盛時の歌唱力を超え、ついに美空ひばりを指呼の間にとらえた、ということになっている。

 

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なるほど、1979年であれば、そういう見方もあるだろう。

ピンクレディーは、1978年にピークアウトしており、女性ソロ歌手としては敵が無いように思われた。

ところが、その年の日本レコード大賞は、その年大ヒットしたジュディ・オングの「魅せられて」に持っていかれている。まあ、レコード売上げというのは、みずものなので仕方がないのだが...

 

あと、シャンソン・ファンからすれば、越路吹雪を超えたという部分が少し納得がいかない点だろう。(私は、もともとシャンソンが専門のライターなので)