昭和の時代、アイドルは一人で歌っていた。
もちろん、キャンディーズやピンクレディのような例外はあるが、少人数だった。
南沙織から始まって、天地真理、桜田淳子、山口百恵、松田聖子、中森明菜、小泉今日子など皆一人で歌っていた。
それが昭和の終り頃から、おニャン子クラブに始まり、モーニング娘。AKB48、ももいろクローバーZなどグループが主流になった。
なぜだろう?
その理由は2つあると思っている。
一つは、趣味の多様化だ。
「僕は〇〇が好きだけど、君は△△が好き。」という風に、日本人の誰もが一人のアイドルを好きになるというのが難しくなった。女の子たちがみんな聖子ちゃんカットをしていたり、ピンクレディのフリ真似をしていたなんて時代はもうやって来ない。だから、グループの中にいろんなタイプのアイドルを内包して、選択肢を増やした訳だ。
もう一つは、ファンの年齢層が広がったことだ。
アイドルを追いかける40代・50代の男性はかなりの人数がいる。娘と一緒に同じアイドルを応援するお母さんたちもかなり多い。
そうなって来ると、幅広い年齢層のニーズに応えなければいけない。いろんなタイプのメンバーが必要になる。
アイドルの多角化には、グループという形状が必須だったと言える。