阿久悠について調べていて、作詞した全曲をリリースした年毎に追いかけていく作業をした。

それで気付いたことは、1980年の八代亜紀の「雨の慕情」(レコード大賞受賞曲)以降は、パッとした歌が無いことだった。

どうしてなのか?

 

 

その理由は、書きたいと思う歌手が見つけられなかったからではないかと思う。

70年代には、山本リンダや和田アキ子、沢田研二、高橋真梨子(ペトロ&カプリシャス)、演歌では都はるみ、八代亜紀、そしてスター誕生では森昌子、桜田淳子、岩崎宏美、伊藤咲子(山口百恵には一曲も書いていない)、そしてピンクレディがいた。

彼らは、80年代に入りピークが過ぎてしまった。

 

世代が下の新しいアイドル、例えば松田聖子や小泉今日子、たのきんトリオ、中森明菜などにはもはや興味が沸かなかったのか?

スタ誕でさんざんアイドルを育てたので、今更というのもあったと思う。

薬師丸ひろ子なんかは阿久悠の歌詞が似合いそうな気もするが、角川映画から出て来たので接点が見いだせなかったのかもしれない。

 

1986年に森田公一とのコンビで河島英五に「時代おくれ」という名曲を書いているが、もしかしたら自分が時代に遅れたことを自覚していたのかもしれない。