C'était en mai, un samedi

 それは、5月の、ある土曜日だった。

というタイトルの小説を読んでいます。ダリダが自らこの世を去った日の前後を書いたフィクション(小説)です。

 

 

読んでみてわかったことですが、想像以上にドキュメンタリー・タッチの部分があって、どこまでがフィクションなのか、どこからが作者の想像なのかわからなくなってきます。 

 

 

作者のDavid Lelait-Helo(ダヴィド・ルレエロ)は、綿密にダリダのことを調べたように思われます。ダリダが知らない相手(女性)に電話で身の上話をするのですが、その会話があまりにもリアルで、読みながらドキドキしてしまって、結果は知っているのですが、思わずこれからどうなるのだろうと想像させられてしまいます。

 

実は、この見知らぬ電話相手にも当然のことながら、別れた夫や子供との人生があって、それとダリダの波瀾に充ちた生涯がシンクロするところと不調和する箇所が両方あって、共感し合ったり、反駁しあったりするところがこの小説の面白い部分でもあります。

 

インフルエンザにかかって寝込んでいましたので、読書の予定が大幅に遅れ、まだ半分を少し過ぎたところですが、この後ダリダと電話相手の見知らぬ女性に何が起こって行くのか、想像しただけで楽しみというか少し怖いというか、物語に引き込まれて行く自分がいます。

あと一週間くらいで読み終えると思います。書評を note に書きますので、ご期待いただければと思います。