先週始まった朝ドラ「ブギウギ」で梅丸少女歌劇団は、映画の合間に歌や踊りを披露しており、単独公演を目指しているとのことでした。
実は、ジャック・ブレルも同じようなことをやっていて、ジュリエット・グレコの自伝の中にそのシーンが出て来ます。
ピガールにある le Gaumant Palace という有名な映画館でのことでした。
当時のパリの映画館は、映画と映画の幕間に、スクリーンの前で歌手が出演するという演出があり、彼は、足かけ台に片足を乗せて3曲唄ったのだそうです。そして、唄い終わると、その台を片手に持って、無関心な観客の前を歩いて舞台の袖に帰っていったのだそうです。
ジュリエットのジャック・ブレルの第一印象は、背が高くて、美男子だったのだそうです。それは、ジャック・ブレル自身が自分に対して思っていたことと、世間一般が思っていたこととは、真逆でした。
「彼は、作詞の能力に傑出したものがあるが、美男子ではない。」という評価だったのです。
映画が上映されている間、ジャックは、舞台の袖で1時間30分か2時間待機していて、そして、映画が終わると、また台を持って出て来て唄ったのだそうです。
ジュリエットは、その時点で彼の才能を見出したのですが、映画をお目当てに来ている観客は、早く終われよと思っていたのかもしれません。
駆け出しの頃は、あのジャック・ブレルであっても、そうした仕事を受けざるを得なかったということですね。
出典: Juliette Greco Je suis faite comme ça Flammarion
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