ある音楽ジャンルの解説本に、以下のような記述がありました

ジャズは黒人音楽、シャンソンは白人音楽という決定的な違いがある。」

ほぼ当たっているのですが、少し乱暴に総括しているな思いました。

 

 

もう少し丁寧にするならば、人種と音楽を結び付けるのではなく、ジャズ発祥の地はニューオリンズで、シャンソンはパリであり、前者が黒人音楽の影響が色濃いのに対し、後者はフランス人とパリに集った異邦人がヨーロッパ音楽を基礎に発展した大衆音楽だと解説した方がよいと思います。

 

1950年代、1960年代のシャンソンは、フランスの地方やフランス語圏(ベルギーやカナダのケベック州)だけでなく、ヨーロッパ各地からパリに歌いに来た人々、そして、ロシア革命やファシズム政権に追われてパリに逃げて来たユダヤ人達、植民地だったアルジェリア・モロッコなどから来た人たちによって創られた大衆歌です。

 

リズムは、基本的には拍の頭でとるところはクラシックと共通していて(この辺りがヨーロッパ音楽の流れを汲んでいる)、そこがジャズと決定的に違います。

また、シャンソンは、オペラのような頭声発声ではなく胸声発声である点が特徴です。

 

そのジャンル解説では、

「暗い内容を語るように歌う」と付記されていました。

 

そうか、そういう解釈をするんだろうなぁ、というのが私の正直な感想です。

その付記にさらに付け加えるならば、「日本では、暗い内容の歌詞を好んで歌う傾向が強いが、本場パリでは、魅惑のシャンソンやダンスに似合うような曲もある。」

 

ジャンルの説明にここまで必要かと言われれば、やや疑問ですが(笑)。