日本の舞台で「メドレー」なるものが歌われたのは、もちろん戦後のことで、1951年(昭和26年)のことでした。

メドレーというコンセプトを持ち込んだのは、進駐軍のジョージさんというショー関係の仕事をしていた人でした。

誰の舞台かというと...

 

 

それは、越路吹雪が帝劇で歌ったのでした。

「モルガンお雪」の舞台でショータイムがあり、越路は英語で「ビギン・ザ・ビギン」や「アゲイン」、「ウェディング・サンバ」を続け様に歌いました。

これが、日本におけるメドレーの始まりと言われています。

 

 

まだ、宝塚歌劇団に在籍している、つまり現役のタカラジェンヌの越路が男性俳優やストリッパーの女性と舞台に立つのも前代未聞だったのですが、英語でメドレーをすることも最初だったわけで、この舞台は初物尽くしとなりました。

 

岩谷時子によれば、越路吹雪は、ストリッパーのお姉さんたちに人気で、手編みの手袋を貰ったり、楽屋風呂で話しかけられたりしたそうです。なんとなく、わかる気がします。

 

 

出典:岩谷時子「愛と哀しみのルフラン」講談社