セルジュ・ゲンズブール(Serge Gainsbourg)が作った"La noyée"(和訳すると溺れる人)は、イヴ・モンタン(Yves Montand)が歌うのを拒否したと言われています。その真相をセルジュ自らが語っていますので、ご紹介します。
ゲンズブールは、ポランスキーの映画のために美しいワルツを作りました(作詞・作曲)。納得する作品でしたが、自分が歌うシャンソンではないと思いました。誰が歌うに相応しいのか考えた結果、イヴ・モンタンが良いと思いました。
モンタンの家に行くと、奥さんのシモーヌ・シニョレもいて、この歌を披露すると、彼から「何て美しい!」と賛辞をもらったのだそうです。
帰り際にモンタンから握手を求められ、「シングル(レコード)にしたいから、B面も作ってくれないか?」と依頼されました。
ところが、ゲンズブールの用意したB面は、"Satchmo"という作品で、ルイ・アームストロングを題材にしたもので、モンタンが気に入る歌ではありませんでした。
それで、"La noyée"は気に入られていたものの、B面の不出来でレコーディングは見送られたのだそうです。
非常に残念です。イヴ・モンタンの"La noyée"を聴いてみたかったです。
出典: Gilles Verlant "Gainsbourg" Albin Michel