前回の投稿で、"L'aqoiboniste"は、セルジュ・ゲンズブールのジェーン・バーキンへのラブソングだと思っていると書いてしまいましたが、よく調べると違っていました。

 

 

実は、フランソワーズ・アルディのために作られた歌だったのです!

当時、フランソワーズは、ジャック・デュトロンが恋人で(後に結婚)、ファンには、歌詞の"aqoiboniste" についてジャックを想像してしまうことになります。

 

 

ところが、フランソワーズは、歌うのを断ったそうです。

歌詞に以下のような箇所があって、そこにひっかかったのではないかと思われます。

 

Un aquoiboniste
Un modeste guitariste
Qui n'est jamais dans le ton
À quoi bon ?

「何がいいの?」ばかり言っている人

大したことないギタリストで

チューニングがあった試しがない

いったい何がいいの?

 

ゲンズブールからすれば、トマ・デュトロンはそんな感じのちんけなギタリストだと捉えていたのでしょうが、フランソワーズは真剣に愛していたのだと思います。

 

それで、ピンチヒッターではないですが、ジェーン・バーキンが歌うことになったのでした。

 

 

出典:Gilles Verlant "Gainsbourg" Albin Michel