イヴ・モンタン(Yves Montand)の La Bicyclette(自転車)がどうして大ヒットしたか、その理由がわかりました。

1968年4月に発売されたのですが、その翌月にフランスでとんでもないことが起こったからなのです。

 

 

当たり前のことですが、4月の翌月は5月です。1968年5月と言えば?

そうです!5月革命が起こったのです。

最初は学生のデモから始まったのですが、それが労働者たち、そして一般市民を巻き込みフランス全土でゼネストが起こります。

ガソリンが手に入りにくくなり、鉄道はストで止まり、人々は自転車に乗って移動するしかありませんでした。

 

思わぬ理由で、自転車の良さを再認識したフランス国民でしたが、タイミングよく、このLa Bicyclette(自転車)がラジオから流れたものですから、大ヒットとなったのでした。

 

 

 

もともとこのシャンソンは、1964年に広告代理店が自転車広告用に作ったもので、作詞を依頼されたピエール・バルー(Pierre  Barouh)は乗り気ではなかったようです。それを作曲のフランシス・レイ(Francis Lai)が説得して出来上がったのだそうです。

その2年後、バカンス・シーズンにイヴ・モンタンの別荘をピエール・バルーが訪ねて、この歌を披露したことでモンタンが気に入り、さらにその2年後、歌詞を修正してレコーディング・発売されたとのことです。そして、それが5月革命の前月だったわけです。

 

ヒットと言うのは、タイミングが必要なのかもしれませんね。