アズナヴールがマネージャーとして(男女関係は無く)ピアフのブーローニュの館(やかた)に同居していた話は、前に書きました。
その館には、「マリー・アントワネットの部屋」と呼ばれる豪奢な装飾が施された一室があって、そこにピアフではなくアズナヴールが住んでいたと、彼はインタヴューで告白しています。どうして、ピアフはその部屋を避けたのでしょう?
まずは、アズナヴールのインタヴューから。
( I はインタビューアー、Aはアズナヴール)
I: Mais, vous étiez dans une même maison ? C'était quoi ? C'est un hôtel particulier ?
A: Hôtel particulier de Boulogne. Oui. Mais, elle avait fait, elle fait une chambre. Une chambre de Marie-Antoinette. Au bout de trois jours elle dit je vais, il y a malin. Elle est desc
I: でも、あなたは、彼女と同じ家にいたんですよね。どんな家?戸建ての館(やかた)ですか?
A: 戸建ての館、ブーローニュの、はい。彼女は、家を改造して、マリー・アントワネットの間(部屋)を作って。それで3日したら、彼女は私にその部屋に行けと、悪魔がいるからと。それで、彼女は下の部屋に移って。
つまり、アズナヴールによれば、悪魔がいるので、ピアフはその部屋に住みたがらなかったというわけです。
ところが、ピアフの自叙伝には、こう書かれています。
J'avais un salon extraordinaire, une chambre à coucher de rêve, toute en satin bleu. Mais dans cette chambre, je n'ai jamais couché...
C'était trop beau, trop grand, trop riche pour moi. Je n'était pas habituée à ça. Je ne m'y sentais pas à l'aise. J'ai préféré m'installer dans la loge de concierge !
私は、とてつもなく素晴らしいサロンと夢のような寝室を持っていた。全て青いサテンの。でも、その寝室で寝たことがない。
それは、あまりにも美しくて、すごく大きくて、私にはリッチすぎた。私はそういうものに慣れていなかった。そこにいると落ち着かなかった。私は、管理人の部屋に居を構えることを選んだ。
ピアフは、本心を隠すため、悪魔がいると言ったのではないかと思います。実際のところは、豪華すぎると自分の性分に合わないと感じたのだと思います。
出典:
Édith Piaf Ma Vie Union Généralee D'éditions
AZNAVOUR - PIAF - RTL le 15 juin 2015
https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=OuGO-hFoUN