前回に続き、セルジュ・ゲンズブール(Serge Gainsbourg)がジュリエット・グレコに贈った La Javanaise(ラ・ジャヴァネーズ)について書きたいと思います。

 

 

セルジュ・ゲンズブールがジュリエット・グレコの家で過ごしたあの夜のことを、ジュリエット・グレコは、自叙伝で何と書いているのでしょうか?

(出典: Juliette Gréco "Je suis faite comme ça" Flammarion)

 
Nous ous sommes revus, nous sommes baladés. Je l'ai invité à diner à la maison. L'air est doux. Les bulles de champagne explosent. Je suis légèrement grise et je me mets à danser, ce qui m'arrive rarement. Il me regard bizarrement. Il est rentré chez lui sans un mot, très tard.
私たちは再会して、二人で散歩した。彼を家(うち)で夕食しないかと誘った。外気は穏やかだった。シャンパンを何本か開けた。私は、ほろ酔いで、そしてダンスを始めた。彼は私を変な感じで見つめていた。彼は、遅くに、何も言わずに帰っていった。
 
サロンでは、てっきりレコードの音に合わせて二人でダンスしたのかと思っていましたが、どうも違うようです。
セルジュ・ゲンズブールは、プレイボーイのように思われていますが、大好きな女性の前では、意外にシャイで何もできなかったのかもしれません。
ただ、「変な感じで見つめていた」というのは、本当だったのだと私は思います。
それで、彼女の踊る姿を目に焼き付けて帰宅し、La Javanaise(ラ・ジャヴァネーズ)を急いで作詞・作曲して、翌日、自分の気持ちとして届けたのだと思います。