皆様は、トレネの子供たち(Des enfants de Trenet)と呼ばれた二人をご存知でしょうか? 夢のような豪華なコラボレーションは、1952年から1970年まで続きました。
その二人とは、シャルル・アズナヴール(Charles Aznavour)とジルベール・ベコー(Gilbert Becaud)です。引き合わせたのは、なんと、あのエディット・ピアフ(Edith Piaf)なのですから、大変な逢瀬だったと言えます。
出逢った頃の二人は、アズナヴールはピアフのマネージャー、そして、ベコーは、ジャック・ピル(Jacques Pills)がピアフのために連れてきたピアニストでした。
彼らは、ピアノがベコー、歌がアズナヴールという黄金の組み合わせで活動を開始します。
そして、アズナヴール・作詞、ベコー・作曲でシャンソンを書き、他のアーティストに提供しています。日本で有名なのは、美輪明宏さんが日本語詞を書いてカヴァーした「メケメケ」(Méqué méqué)があります。これは、ジョー・ダッサンへ提供した歌で、1954年の作品です。
同じ作詞・作曲の分担で、Je t'attend という歌もあり、これは、両方がセルフ・カヴァーしています。
まずは、アズナヴールから。
次にベコーです。
アズナヴールの生前のインタヴューによると、「お互いの才能を吸収し合っていた。」そうです。やがて、二人は、それぞれの道を歩むようになるのですが、同年代のライバルであり音楽仲間がいたのは、恵まれていたと思います。
エディット・ピアフには、そういう切磋琢磨するライバルが生涯いませんでした。