「シェルブールの雨傘」についていろいろ調べていて、これはあまり知られていないと言う事実をいくつか発見しました。

Facebook に少し書いたのを含め、ブログに書き残します。

 

C'est un des premiers et rares films français à évoquer la guerre d'Algérie.

これは、アルジェリア戦争を想起させる初めてで稀有な映画の一つです。

 

(コメント)フランスでは、アルジェリア戦争をずっと la guerre(戦争)とは呼ばずに、les événements(出来事)と呼んでいたくらいで、直接扱った映画はほとんどありません。

 

Catherine Deneuve confiera plus tard qu'elle n'était pas sûre de vouloir faire du cinéma jusqu'à sa rencontre avec Jacques Demy.

カトリーヌ・ドヌーヴが後になって告白しているが、彼女はジャック・ドゥミに出逢うまで、映画に出演したいかどうか自分でもよくわからなかった。

 

(コメント)そんな彼女がこの作品で、世界的スターの仲間入りしたのです。わからないものですね。

 

En France le public plébiscite le film avec 1,3 million de spectateurs et le succès du film à l’étranger (notamment au Japon) donne à Jacques Demy une immense notoriété internationale.

フランスでは、大衆から絶賛を受け、130万人の観客動員があった。国外でも(特に日本)大成功したので、ジャック・ドゥミは国際的な名声を得た。

 

(コメント)海外での上映で、特に日本で成功したというのは、知られていないことですね。当時の日本ではフランス映画がブームとなっており、特にアラン・ドロンが人気で、1963年の第3回フランス映画祭で初来日した際、ファンの熱狂がありました。その翌年(1964年)の公開だったことから、この映画が大成功したのも頷けます。

 

Wikipedia による

『ローラ』の音楽は当初、クインシー・ジョーンズが担当予定だったが、スケジュールの関係で辞退。ルグランが『アメリカの裏窓』の音楽を担当したフランソワ・レイシャンバックの勧めで、ドゥミがルグランに会った。ルグランは初め乗り気でなかったが、同席したアニエス・ヴァルダが説得、最終的にルグランが折れた。ルグランとのコンビは、『シェルブールの雨傘』後も、『ロシュフォールの恋人たち』『ロバと王女』『モン・パリ』『ベルサイユのばら』と続いた。

 

(コメント)ジャック・ドゥミの映画監督としての処女作「ローラ」で、なんとあのクインシー・ジョーンズが音楽を担当する予定だったというのは、驚きの事実です。スケジュールが合わず、話は流れましたが、そのおかげで、ミシェル・ルグランとのコラボが始まったわけですから、運命の巡り合わせですね。クインシー・ジョーンズの『シェルブールの雨傘』もちょっと観て聴いてみたかったです(笑)。しかも、奥さんのアニエス・ヴァルダが説得しなかったら、ミシェルは下りていたかもしれないというのも面白いです。