映画「最強のふたり」で、富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)の介護人となったことで教養を身に着けたドリス(オマール・シー)が、採用面談で面接官の女性と話すシーンを翻訳します。

私たちの会社のスローガンをよく読んでから応募用紙に書くべきだと不快感を表す面接官に対し、アートを持ち出して相手を褒めたたえ気分よくさせる会話術が洒落ています。たぶん、これは採用されるか、あるいは採用されなくてもこの女性と付き合い始めるんじゃないかと思わせる展開です。(「フランス語のとびら」の安部さんに一部修正していただきました。感謝。)

- Prenez le temps peut-être de lire notre slogan.

- Je suppose qu'un alexandrin, ça ?

- Pardon ?

- Pre-nez-le-temps-peut-ê-tre-de-lire-no-tre-slo-gan 

   douze pieds

- J'ai pas fait exprès.

- En temps et en heure. Et c'est pour ça, l'huile d'armoire

  de Dali pour le côté artistique ?

- Peut-être, oui.

- Vous aimez la peinture ?

- Ah, oui. J'aime bien Goya.

- Ah, c'est pas mal. Depuis "Pandi Panda", elle a pas fait  

  grande chose quand même.

 

- 時間を取るべきなのでは。私たちのスローガンを読むことで。

- アレクサンドラン(十二音綴)みたいですね。

- 何のことですか?

- (相手が言ったフレーズを一音ずつ数えて行って)ほら、12音。

- 意図してやったわけじゃないです。

- 時間内に。(この運送会社のスローガン) あぁ、それでですか。飾ってあるダリの油絵は、芸術面を出しているわけですね。

- たぶん、そうかもしれません。

- 絵画は好きですか?

- はい、ゴヤが大好きです。

- いいですね。でも、「パンディ・パンダ」(歌のお姉さん・シャンタル・ゴヤのヒット曲)については、彼女は大したことをしていないけどね(笑)。