山上路夫さんの歌詞は、ヒューマニズム溢れるものが多い。

 

井上順: 「お世話になりました」。

煙草屋のおばあちゃんが、お金が無い時に、後でいいと言って、ハイライトをくれた話。

 

梓みちよ: 「二人でお酒を」

いたわり合って別れましょうね こうなったのもお互いのせい

あなたと私は似たもの同志

 

小柳ルミ子: 「瀬戸の花嫁」

幼い弟 行くなと泣いた 男だったら泣いたりせずに

父さん母さん 大事にしてね

 

倉田まり子: 「グラジュエイション」

同じ景色はもう見えないのに

「だけどきっとまた会えるね」

なんて言ってしまいそうになる

思い出せば全部素敵だけど

 

そして、これなんかは、グループ・サウンズのために作詞したとは、思えない。まるで、聖書・創世記の「ノアの箱舟」についての牧師の説教のようだ。

 

ザ・タイガース: 「廃墟の鳩」

ひとはだれも 悪いことを おぼえすぎた この世界

きずきあげた楽園(ユートピア)は こわれさった もろくも

だれも見えない廃墟の空 一羽の鳩がとんでいる

真白い鳩が

生きることのよろこびを 今こそ知る 人はみな

汚れない世を この地上に 再び創るために 人はめざめた

生きることのよろこびを 今こそ知る 人はみな