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 純白の中輪の花をつけているのは、‘アイスバーグ’(Rose Floribunda‘Iceberg’)という、ドイツ産の房咲きが特徴的なバラです。今回で本ブログ5回目の登場となる常連さんです。
 アイスバーグは花弁数が20枚程とあまり多くはなく、開ききりやすいため、すぐに雄しべと雌しべが露呈し(平咲き状態)、モダンローズとしてはちょっと見苦しい花姿をすぐに曝け出してしまいます。特に春の花は気温が高いせいか、あっという間に全開となり、美しいカップ咲きを楽しむ期間がとても短いのが惜しまれます。その点、秋のバラは低温のため生長が緩慢となり、それは開花速度にも影響を与えて、平咲きになるまで時間がかかるようになります。ですから、アイスバーグを鑑賞するには、今がもっとも適期ということができるでしょうね。
 そんなアイスバーグですが、バラの専門書には強健種と記載されていることが多く見受けられます。私もアイスバーグを購入するとき、その謳い文句に惹かれて購った方。だってできるだけ手がかからずに育ってくれるなら、それに越したことはないですもんね。植えつけてしばらくの間は、確かにうどんこ病にかかる気配すら見せず、もちろん黒星病にも耐性があるかのごとくの振る舞いを見せていました。ところが…。

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 写真をご覧いただけましたでしょうか。バラを育てたことがある方なら、この写真が一体何の意味をなしているのか、一目瞭然でしょう。そう、これは黒星病を患ったバラの葉っぱなのです。このバラとはもちろんアイスバーグのことで、このようになった葉っぱは、時を経ずして落葉していきます。厄介なことに、この黒星病は次々と同じ株の葉っぱに伝播していくのです。特に雨が降り続くようなときは要注意で、株元から数10cmまでの葉っぱ全てが黒星病に罹患し、なくなってしまうこともあります。酷い場合は株についている全葉が落葉する場合もあるとかで、黒星病はバラにとってレッドカードな病気と言えます。
 そんな危険な病気にかかってしまうのに、アイスバーグはどうして強健と言われているのでしょうね。よくよくバラ専門書を調べてみると、アイスバーグは黒星病やうどんこ病にはかかるものの、枯死に至ることはない品種なのだそうで、バラの世界では、そのような枯れやしない品種のことを強健と位置づけるようです。ちょっと曖昧なランクづけで、紛らわしいですよね。まあ、でもバラは生き物なので、仕方がないのでしょうけど…。
 ちなみに、放っておいても、ほとんど黒星病やうどんこ病にかからないというバラもあるんですよね。主に原種系とシュラブやラージ・フラワード・クライマーに属するバラたちなのですが、これらの丈夫さを表現するときは、「かなり強健」とか「極めて強い」などと言うのが普通のようです。

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 と、まあ、黒星病にはかかってしまうアイスバーグ。今更「黒星病にかかるような、バラはいらない!」なんて、アイスバーグを放棄するわけには行かないので、これからも黒星病と戦いながら、アイスバーグを育てようと覚悟を決めています。
 いくら放置していても枯れることはない、と指南されているとはいえ、このままの状態にしておくのは、ちょっと心が落ち着きません。やはり、薬剤の散布はした方が、株の体力を減らさない意味でも必要でしょう。さて、黒星病にはどの薬剤が効果的なのか。うどんこ病にはサンヨールが一番ですけど、ここまで病状が進行した場合は、STサプロール乳剤しかありません。でも、これは抜群な効き目というわけでもないんですよね。もし、全然回復の見込みがなかったなら…。行き付けのガーデンセンターの店長に、どんな薬剤が黒星病にはもっとも有用なのか、聞いてみることにします。