環境省が北九州市にポリ塩化ビフェニール(PCB)無害化処理の期間延長と6000トンの処理を要請していた問題で、市は18日、受け入れる方針を決めた。処理の際の安全を確保できると判断した。
環境省は昨年10月、政府が100%出資する日本環境安全事業(JESCO)北九州事業所(若松区)でのPCB無害化処理完了期間を2015年3月末から9年間延長し、近畿・東海・南関東の14都府県分の計6000トンを新たに受け入れるよう市に要請していた。
その後、環境省は昨年11月に市民説明会、市は今年1月に公開シンポジウムをそれぞれ開催。市は市議会や市民からも意見を聴き▽PCB処理は安全にできるか▽事業の再延長はないか--などを環境省と協議し、受け入れを決断した。
変圧器や蓄電池に含まれるPCBは食品公害であるカネミ油症事件の原因物質と分かり、1972年に新たな製造を中止。政府はPCB処理を進めるため2001年に特別措置法を施行し、04年以降、全国5カ所のJESCOの事業所で無害化処理を実施し、北九州事業所は岡山以西17県を担当、2018年度ごろに処理を終える計画だった。【宍戸護】