サハラ砂漠に降り注ぐ大量の太陽エネルギーを利用できないか。こう考えたドイツ人物理学者のゲルハルト・クニースによって、サハラに太陽熱発電施設を建設する計画が進んでいる。「地球の陸地面積1億4900万km2のうち、熱砂漠は約3600万km2もあります。砂漠1km2に降り注ぐ太陽エネルギーは平均すると年間2.2TWh(220万MWh)。年間8000万TWhもの太陽エネルギーが、砂漠全体に降り注いでいるわけです。この1%でも得られれば、地球上のすべての人の電気を賄えます」とクニースは語る。
太陽熱発電は、無数の鏡で太陽光を発電施設に集中させ、液体を蒸発させてタービンを回すというものだ。太陽熱は溶融塩蓄熱器にも回され、夜間も発電ができる。また発電施設の廃熱を利用することで、海水の淡水化も可能だ。
とくに関心を寄せているのが、アルジェリアである。同国の電力会社NEALは昨年6月、150MWのガス発電と30MWの太陽熱発電の設備を持つハイブリッド発電所の建設計画を発表した。また昨年11月には、アルジェリアのアドラールからドイツのアーヘンを結ぶ送電線を敷設する計画も公表している。
「これはヨーロッパとマグレブを結ぶ電力網の始まりです。最終的には、送電される電気の80%が太陽熱によるものとなるでしょう」と関係者は言う。
(クーリエ・ジャポンより引用)