先日、またまたアンティーク講座でした。今期最終回としてホテル・オークラのアーケードにありますアルビオン・アートにて、展示品であり当然売り物でもあります品々を、なななんとタダで「触らせて」いただきました。もう感動です。「カメオとインタリオ」について、お話します。
一番スゴイのは、紀元前のギリシャ・ローマ時代の「カメオ」の指輪でした。顔はおたふくのようなあのギリシャ神話の「メデゥサ」なんですが、顔が怖いからというわけではなく、いろいろな意味での魔よけだったようです。戦の時は、必ずつけていたとか。それにしても、2300年前のものをこの手で触れた快感…。すごすぎ…
一番気に入ったのは、チャールズ一世の肖像画のカメオのリング。シックで美しいピンク色のガーネットなんです。美男子な悲劇の彼の美しい胸像が彫ってあるのですが、リングの裏には「ドクロマークが入っている」のが、ツボ。処刑された王への悲しみを表す「メメント・モリ(死を悼む)」のジュエリーなのでした。これ欲しかった…いくらかな???10人の人気投票でも、これに投じたのは三人いたくらい、素晴らしかったです。
カメオもインタリオも、ブーム期が三期に渡っておりまして、まずギリシャ・ローマ時代、そして人間の原点に戻りたかったルネッサンス期、そして新古典主義で政治的安定を求めたナポレオンの時代が一番ピークだったとか。ナポレオンがモチーフのカメオも多いらしいです。19世紀の腕の良い彫刻家以降は残念ながら、最高の腕の人は出てきていないらしいので、素晴らしいカメオを見るには、アンティークしかありえないそうです。
で、やはり…例によって、「エルミタージュ」には、一万点くらい所蔵されているとか。まったくもう!であります。。。
‥‥……━★
アルビオンアートのオーナーの言葉に感動しました。
店主いわく、「美しい」と感じたものを手に入れるためには、感性を磨く、それ
にはとにかくたくさんの素晴らしいものを見ること、そして目を養うこと、自分
にとって「美しい」「キレイ」「感じる」「好き」なものを見極める力が大切で
あって、それがあればそれらについての能書きやら、値段などは取るに足らない
ものなのです。と。
芸術品や人間が生み出したものでも素晴らしいものには命が宿っている、それら
は人間の命と同じくらいに尊いし、崇高である。
仕入れのコツは、売れるかどうか、つけやすいかどうか、売りや
すいかどうか…などはいっさい考えないそうです。自分にとってそれが「美しい
」ということがまず大事と。う~~~~む、見習いたい…先立つものとの相関性もありそうですが。トホホ…
しかしながら、無機質なジュエリーや金属よりも、有機物である「木」が、一番作った人の魂や見る人の魂が交差しやすくて、素晴らしいとも言っていました。彼が最も「美」を感ずるのは「仏像」だそうです。恐るべし、日本。西洋アンティークに造詣が深い方も、最後の到達点は「日本」であったとのこと…でした。
また、彼が娘に家業をつぐべく教育をした方法というのも唸りました。とにかく、寺とか仏閣とか、海外ならば美術館や建築物の素晴らしいものがある場所にとりあえず連れて行って、でも何も知識を吹き込まずに、一緒に見るのでは無く、「独りでそのものに対峙させた」のだそうです。独りでその「美」と相対して、体感してゆくことが一番大切である、と。興味がわけば、文献なりなんなりを自分で読んでいくことで、のちのちそれは血となり肉となるのだから…と。
美しいものを、たくさん見てゆきましょう。
この顔は、メドゥサです♪おたふくっぽくない?