プロジェクト成功の裏には、優れたチームワークが存在する。
そしてそんなチームには、必ずと言っていいほど優れたリーダーの存在がある。

イエスはカファルナウムという町を訪問した。
当時イスラエルはローマ帝国の支配下にあり、
町にはローマ軍が駐留していた。
イエスの噂はローマ軍の指揮官の耳にも届いていた。

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さて、イエスがカファルナウムに入られると、
一人の百人隊長が近づいて来て懇願し、
「主よ、わたしの僕が中風で家に寝込んで、ひどく苦しんでいます」と言った。
そこでイエスは、「わたしが行って、いやしてあげよう」と言われた。

すると、百人隊長は答えた。
「主よ、わたしはあなたを自分の屋根の下に
 お迎えできるような者ではありません。
 ただ、ひと言おっしゃってください。そうすれば、わたしの僕はいやされます。

 わたしも権威の下にある者ですが、わたしの下には兵隊がおり、
 一人に『行け』と言えば行きますし、他の一人に『来い』と言えば来ます。
 また、部下に『これをしろ』と言えば、そのとおりにします。」

 イエスはこれを聞いて感心し、従っていた人々に言われた。
 「はっきり言っておく。
  イスラエルの中でさえ、わたしはこれほどの信仰を見たことがない。
  言っておくが、いつか、東や西から大勢の人が来て、
  天の国でアブラハム、イサク、ヤコブと共に宴会の席に着く。
  だが、御国の子らは、外の暗闇に追い出される。
  そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。」

そして、百人隊長に言われた。
「帰りなさい。あなたが信じたとおりになるように。」
ちょうどそのとき、僕の病気はいやされた。

  マタイによる福音書8:5-13
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ローマ軍の百人隊長がイエスに近づいてきた。

この百人隊長の部下の一人が病気で苦しんでいた。
百人隊長は、部下を憐れみ、何とかして助けてやりたいと思っていた。

噂を耳にした百人隊長は、部下の病気を癒してもらおうと
イエスのもとを訪れたのだった。

「わたしが行って、いやしてあげよう」
百人隊長の求めを快く受け入れたイエス。
祖国を蹂躙する敵国の兵隊にも彼は援助の手を差し伸べた。

だが、百人隊長はイエスの来訪を慇懃に断った。
来ていただくには及ばない、というのである。

百人隊長には一つの自信があった。
自分の部隊では命令は絶対だ、と。

百人隊長がしようとしていたことはこうだ。
1.自分がイエスから言葉をもらう。
2.それを一字一句漏らさず病気の部下に伝える。
3.部下はそれを受け止める。

伝言ゲームのようである。

百人隊長は、自分がイエスの言葉となることで、
あたかもイエスが直接、病気の部下に語りかけたかのような
効果をもたらすと信じていたのだ。

イエスはこれに感心した。

「あなたの信じた通りになるように」
イエスはこう百人隊長に語りかけた。
ちょうどその時、部下の病気がいやされたのだった。

イエスを感心させた百人隊長の部隊。
完全に意志統一がなされ、あたかも一つの体のようになっていた。

軍隊だからあたりまえなのか。

それだけならばイエスを感心させることはなかっただろう。

信頼関係で結ばれた集団が作られたのは
この百人隊長の人徳によるところが大きそうだ。

病気の部下を憐れみ、何とかして助けたいと願う心。

そんなリーダーの思いが、部下達に伝わっていたのではあるまいか。

人間は機械ではない。感情を備えている。
一枚岩の集団は、最新理論に基づいた制度改革によってなされるものではない。
リーダーの熱い心が源となって出来上がるのだ。

あなたはイエスを感心させてしまうようなチームを作っているだろうか?