世界的な不況の波が押し寄せている。
周囲では嘆きの声を発する人も少なくない。

今日も「ネヘミヤ」を読むことにしよう。
不屈の闘志を持って城壁再建を指揮するネヘミヤに心を許したのか、
ユダの民は日頃の窮状を彼に訴え出した。

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民とその妻たちから、同胞のユダの人々に対して大きな訴えの叫びがあがった。
ある者は言った。
「わたしたちには多くの息子や娘がいる。
 食べて生き延びるために穀物がほしい。」
またある者は言った。
「この飢饉のときに穀物を得るには畑も、ぶどう園も、
 家も抵当に入れなければならない。」
またある者は言った。
「王が税をかけるので、畑もぶどう園も担保にして金を借りなければならない。
 同胞もわたしたちも同じ人間だ。
 彼らに子供があれば、わたしたちにも子供がある。
 だが、わたしたちは息子や娘を手放して奴隷にしなければならない。
 ある娘はもう奴隷になっている。どうすることもできない。
 畑とぶどう園はもう他人のものだ。」

この嘆きと訴えを聞いて、わたしは大いに憤りを覚え、
居たたまれなくなって貴族と役人をこう非難した。
「あなたたちは同胞に重荷を負わせているではないか。」
わたしはまた大きな集会を召集して、言った。
「わたしたちは異邦人に売られていた同胞のユダの人々を、
 できるかぎり買い戻した。
 それなのに、あなたたちはその同胞を売ろうというのか。
 彼らはわたしたち自身に売られることになるのに。」
彼らは黙りこみ、何も言えなかった。

わたしは言った。
「あなたたちの行いはよくない。
 敵である異邦人に辱められないために、神を畏れて生きるはずではないのか。
 わたしも、わたしの兄弟も部下も金や穀物を貸している。
 わたしたちはその負債を帳消しにする。
 あなたたちも今日あなたたちに負債のある者に返しなさい。
 畑も、ぶどう園も、オリーブ園も、家も、
 利子も、穀物も、ぶどう酒も、油も。」
彼らはそれに答えた。
「返します。何も要求しません。お言葉どおりにします。」

わたしはこの言葉どおり行うよう誓わせるために祭司たちを呼んだ。
わたしはまた衣の折り重ねたところを振るいながら言った。
「この約束を守らない者はだれでも、
 このように神によってその家と財産から離され、振るい落とされるように。
 このように振るい落とされて無一物となるように。」
会衆は皆で、「アーメン」と答え、神を賛美した。
民はその言葉どおり行った。

  ネヘミヤ記5:1-13
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「食べて生き延びるために穀物がほしい。」
「畑も、ぶどう園も、家も抵当に入れなければならない。」
「息子や娘を手放して奴隷にしなければならない。」

人々は口々に自らの置かれている状況を訴えた。

ネヘミヤは民の惨状を聞いているうちに憤りを抑えられなくなった。

ネヘミヤは貴族と役人に向かい、彼らを非難した。
そして、すぐさま大集会を催し、同胞の苦難に無関心な人々を糾弾した。
ネヘミヤの演説を聞いた人々は何も言えねえ、状態に陥った。

ネヘミヤは率先して自らの決意を人々に表明した。
自分と兄弟たち、そして側近の部下たちは、債権を放棄する、
すなわち民の負債を帳消しにすると。

その上で、他の人々にも同じように帳消しにするよう勧めた。

話を聞いていた人々はネヘミヤの提案に同意した。
ネヘミヤは祭司を呼び、人々の決意を固めさせた。
人々は決意を実行に移した。

こうしてユダの民は皆、負債から解放された。

なんと憐れみ深い指導者だろう。
ネヘミヤのいる時代に生活したかった、
あるいはネヘミヤが今の時代、国家のリーダーであれば、
などと思ってしまう人は多いかもしれない。特に昨今は・・・。

憐れみに富んだネヘミヤのリーダーシップのもと
城壁の再建は着々と進められていくのだった。


「憐れみ深い人々は、幸いである、
 その人たちは憐れみを受ける。」
              (マタイによる福音書5:7)

「人に憐れみをかけない者には、
 憐れみのない裁きが下されます。
 憐れみは裁きに打ち勝つのです。」
               (ヤコブの手紙 2:13)


さて、あなたの他者に対する憐れみやいかに?