ナホムという預言者がいた。
彼が生きていた当時の超大国といえばアッシリアだった。

〈アッシリアの歴史〉
 BC723年:北王国イスラエルの首都サマリアを陥落させる。
 BC663年:上エジプトの首都テーベを陥落させる。
 BC612年:バビロニア帝国により、首都ニネベ陥落させられる。

エジプトの都テーベを滅ぼしたアッシリアが、まだ隆盛を誇っていた時代に、
ナホムは、アッシリアの首都ニネベの陥落を預言した。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
災いだ、流血の町は。
町のすべては偽りに覆われ、略奪に満ち
人を餌食にすることをやめない。
鞭の音、車輪の響く音
突進する馬、跳び駆ける戦車。
騎兵は突撃し
剣はきらめき、槍はひらめく。
倒れる者はおびただしく
しかばねは山をなし、死体は数えきれない。
人々は味方の死体につまずく。
 ナホム3:1-3
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「お前はテーベにまさっているか。ナイルのほとりに座し、水に囲まれ
 海を砦とし、水を城壁としていたあの町に。」(ナホム3:8)

お前は、お前がかつて滅ぼしたテーベと同じようになる。

そう、ナホムはニネベに宣言した。
繁栄を誇り、誰もその滅亡について思いもしなかった時代に。

ナホムには聞こえていた。
ニネベの町に響き渡る車輪の音や鞭の音が。

ナホムには見えていた。
街中を突進する戦車や騎兵、振りかざされる剣のきらめきが。
そして数えきれないほどの屍が。

ナホムの預言は現実のものとなる。

驕り高ぶりがないか、繁栄の時こそ、自らを冷静に見つめることが肝要だ。