「ダビデ王は多くの日を重ねて老人となり、
 衣を何枚着せられても暖まらなかった。」(列王記上1:1)
さすがのダビデも寄る年波には抗えず、齢70にして死期を迎えようとしていた。
すべてのイスラエル人の関心は後継者問題に注がれていた。
しかし、ダビデは、だれが自分の跡を継いで王座につくのかはっきりさせて
いなかったので、重臣たちの間に分裂が生じ始めていた。
ある日、軍の司令官ヨアブと祭司アビアタルの支持を得たダビデの四男
アドニアが、勝手に要人をセレモニーに招き、自ら王になったと宣言した。
バト・シェバの子ソロモンを支持する預言者ナタンは、国家の混乱を防ぐため、
ダビデ王に後継者指名を要請した。

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ダビデ王は、
「祭司ツァドク、預言者ナタン、ヨヤダの子ベナヤをここに呼べ」と命じた。
彼らが王の前に出ると、王は言った。
「お前たちは主君の家臣を率いて、
 わが子ソロモンをわたしのらばに乗せ、ギホンに下らせよ。
 祭司ツァドクと預言者ナタンは、そこでソロモンに油を注いで、
 イスラエルの上に立つ王とせよ。
 角笛を吹いて『ソロモン王、万歳』と叫び、彼の後に従って上れ。
 ソロモンは来て、わたしの王座につく。
 わたしに代わって王となるのは彼であり、
 イスラエルとユダの上に立つ君主になるようわたしは彼に命じる。」
  列王記上1:32-35
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ダビデは、息子ソロモンを後継者に指名した。

その知らせを受け、
「アドニヤに招かれた客は皆、震えながら立ち上がり、それぞれ帰途についた。」
(列王記上1:49)
アドニヤもまた、ソロモンのもとに出て、ひれ伏した。

ダビデは死の前に、しっかりと後継指名を行うことで、
国家の分裂と混乱を未然に防ぐことができた。

それだけではない。
ソロモンという逸材を指名したことにより、その後しばらくの間、
イスラエルは、空前絶後の繁栄期を謳歌することとなる。

やはり、しっかりとした後継者の育成と指名は、
組織の安定と成長に寄与するようだ。