私が小4から二十歳までいた街





今は千葉県でもお洒落な街の部類に入ってますが、





私が越してきた当時は、駅も小さく電車は一時間に一本しかなくしかも単線、電車が走ると線路の両側におおいかぶさるように木の枝が伸びていてガサガサ車窓にぶつかったり(ホント)





そんな田舎の寂れた駅でしたが唯一の自慢が、ホームに面した斜面に並んで植えられていた桜の木。ホームのはじからはじまで、10本くらいはあったでしょうか?






春には通勤通学の電車をまつ間の人々はみんな、お花見気分でホームで桜をながめていました。





まだ大きな道路もお店も近くになく、小さな田舎の駅は、電車が来ない時間は音もなく静か






たまに心地よい風が吹いてきて、そのたびに花びらがひらひらと散り花吹雪となってホームに落ちていくのを、何十分も電車を待ちながらボーッと眺めていました





昨日のように、頬をなでる風の感覚までが思い出されます。




春だけは、何十分も待つのを苦に思わなかったなあ…






その後その街は、大手不動産会社の開発で駅周辺は全て塗り替えられたようにガラッと様変わり、






駅舎も高台に移り線路も複線になり快速も止まるようになり、住民もどんどん増えて賑やかな都会のベッドタウンに発展しました。







当然桜並木があったホームも斜面はコンクリートで固められ失礼な言い方をすると人の温もりの感じない造りになってしまいました





繁栄するとはそういう事なのかなあ、と




どこかに移されたか、葬られたか、桜の木も思っていたのかしらと…






今もたまにその駅を通りますが、あの桜の駅を知っている方もどんどんいなくなりつつあるのかと思うとなんともしんみりした気持ちになります






ではまた(*'(OO)'*)