※同性愛とか性行為とか出てくるので注意※




月がきれいだと騒がれているなか、私は小説を読んでいました。


帰るときに月を散々見たので、別にいいのです。自転車乗ってるときに見た月は本当に丸くて大きくて美しかった。

このまま月まで漕いで行きたい、と砂糖も裸足で逃げ出すようなロマンティックなセリフさえ吐きそうになりました。


マンションから見る月は、さらにきれいなんだろうと、ドキドキしながら見たのに、すごく小さかった。がっかりです。なんで小さいの!自転車に乗ってるときも、ずっと高い位置にいるのに! と訳わからん怒りを覚えたので、カーテンしめて本を読んでました。






白い薔薇の淵まで / 中山可穂



なんだか無性に同性愛の小説が読みたくなりました。

しかも男同士ではなく、女同士の方で。


昨日ベッドの下から見つけた、大量のホモ漫画が影響しているのでしょうか。ちなみに妹のものでした。すべて読みました。←


特に偏見はなく、というかむしろ喜々として読みますが、それでも好き嫌いはあります。最初から性描写満載のはあまり好きではないです。

人物を特に知りもしないのに、いきなり性行為を見せられるこっちの身にもなれよ!と叫んでページを閉じます。



だけど「白い薔薇の淵まで」は最初から最後まで一気に読み終えてしまいました。

性描写満載、しかも最初からガッツリ。なのに全然下品じゃない。


ジャンジュネの再来とまで呼ばれた新人作家・塁と、平凡なOLのクーチの物語。書店でナンパされて、飲みに行って、タクシーに揺られて、家でセックス。普通だったらここで本を投げてる。


でも、描写が生々しくも品があって、胸をときめかせながら読んでしまいました。



つよく猛々しいものがわたしのなかに入ってくる。それを待ち受けるのがセックスだと思っていたわたしは、そうではないのだと、ただ突かれることがその繰り返しが女の喜びだと信じていたわたしは、その愚かさに生まれて初めて気づいたのだ。



この文章を読んだとき、レズの友達との会話を思い出していました。

「女同士は終わりがないから楽しい」


聞いた当初は、「終わりがないってつらくない? やめ時が分からないじゃん」と返したのですが、彼女の気持ちが少しわかったような気がしました。



塁は不幸をかき集めてできたような女性で、性格もとても難ありです。しかしクーチはそんな彼女さえも受け止め抱きしめていきます。


依存することに依存する、共依存という言葉がありますが、あれに近いなと感じたのが最初の印象。読み進めていくにつれ、クーチは塁のそばにいれて本当に幸福なのだ。と印象は変わっていきます。はた目から見たら不幸に見えたとしても。



別れては仲直りを繰り返し、クーチは結婚しますが、最後には離婚して塁のもとへ。このあとは完全なネタバレになるので言いませんが。



イメージとしては、塁は鋭利なガラスに似てる。クーチが何度もつかんで血を流して、手を離すけど、またつかんでしまう。


出来事だけ並べれば、悲痛な事実しか並ばないのに、胸が締め付けられたりはしない。塁もクーチも一緒にいて、苦しくつらくても、甘美な幸せを感じていたからでしょうか。

とりあえす一番かわいそうなのは、クーチの旦那さんです。もっと良い人と結婚しろよ!



あと最後にスラム街が出てくるのですが、そこの描写が一番ドキドキしました。ここの何倍も性描写があるのに、真っ先に思い出すのはスラム街のシーンです。

行ってみたい、とさえ思った。けれど、甘ったれの私が行ったところで、身ぐるみはがされて殺されるだけなので、透明人間になって行ってみたいなと思いました。