10月末に行った厚生文教委員会の視察の感想を掲載します 


<特別支援学級>

 磐田市内の調査では、学習面、行動面に著しく困難を示すと担任が認識している児童・生徒の割合は、小学生で4.4%、中学生で2.2%である。磐田市の特別支援学級の設置率は、静岡県内でもトップクラスで、小学校約48%、中学校60%となっている。

 調査でわかったことは、特別に支援が必要な児童・生徒を「病気だから治るのでは、というように考えがちだが、その子が住みやすい環境をどうつくっていくのか」という点での保護者や教師の理解が必要であるという点は、その通りだと思った。

 また特別支援に向けて、非常勤ではあるが手厚い人の体制をとられていることである。市立幼稚園には、個人指導が必要な園児がいる場合には補助員の配置(臨職21人)、子育てカウンセラー(臨職3人)、幼稚園カウンセラー(臨職3人)、運営困難学級補助員(非常勤19人、臨職13人)、特別支援教育巡回相談員(臨職9人)、スクールサポーター(臨職2人)、心の教室相談員(臨職10人)などなど。

 こうした体制の中で、学校生活の安定や生活学習面においての力の伸びが見られ、在籍する児童・生徒の割合が高いという評価である。子どもが安心できる居場所と人の体制があるということが大切であることが確認できた。

<ふるさと先生>

 ふるさと先生は、市町村の独自に学級編成権がなかった2004年に、「教育特区」として市費による「ふるさと先生」を文部科学省に申請し、2005年に35人学級を実現するというものである。市費による「ふるさと先生」は、当初、小学校は1年生、中学校は2年生のみの対象で、12名の先生が雇用され、07年度は市費教員29名を雇用し、小学校小1から小4、中学校のすべての学年で35人学級が実現している。小学校は23校、中学校は10校で人件費は1億3964万円である。小金井市で考えると6000万円弱になる。


 教育委員会が実施したアンケートでは、ふるさと先生はとても意欲的で、365人学級になったことによって、校長先生のアンケートでは、つまづいている子どもにてをかけるゆとりができた、テストの採点などの評価を丁寧に行うようになった、子ども理解が十分でき、個に応じた評価と指導ができるようになったなどの評価が高くなっている。また担任は、35人学級で効果があるとこたえている。また安全管理がしやすい、授業中、多くの児童への言葉かけができたとこたえている。


 さらに保護者のアンケートでも、35人学級が良かったと答え、「学校が楽しい」と子どもが言っているというのが1位、先生が一人一人にきめ細かな指導をしているというのが次に高い評価となっている。

 テストに対する正答率はもともと35人学級の場合と40人学級から35人学級に変更した場合とで分けてみると、正答率の伸びは105%と106.3%で、効果があることがわかる。


ただ、「まだ課題はある」と教育委員会は、ふるさと先生の勤務条件の改善や研修制度の充実、国や県による小規模学級の早期実現などが求められるとしている。

 いずれにしても、市費によってここまで教育体制を整備することは容易ではないと思うが、市と教育委員会の情熱を感じた。