被爆体験を描いた漫画「はだしのゲン」が過激・残虐な描写があるとして、松江市教育委員会が市内の小中学校に学校図書館での子どもへの閲覧や、貸し出しを中止するよう要請していることがわかり、関係者から怒りの声が上がっています。

 昨年8月、市議会に「ありもしない日本軍の蛮行が描かれており、子どもたちに間違った歴史認識を植え付ける」として作品の撤去を求める陳情が提出されましたが、12月議会で、全会一致で不採択になった経緯があります。

 この8月、ヒロシマ・ナガサキを訪れた米映画監督のオリバー・ストーンさんは「原爆投下の正当化」と、日本軍の「アジアへの侵略と植民地化」の事実を後世に伝える異議を強調していましたが、「はだしのゲン」はアメリカでも原爆投下の真実を伝える大きな力になっています。

 「はだしのゲン」の閲覧を中止することこそ時代錯誤の蛮行であることを自覚すべきです。
【2013年8月19日付しんぶん赤旗に掲載】