原水爆禁止2013世界大会には、参加者が自分たちの歴史について考え、核兵器・原発について強い思いを抱いているという印象を持ちました。最も自覚の高い人たちだと感じました。

 しかし日本の多くの人たちは、自分たちの歴史を知らされていないのではないでしょうか。戦争中の日本の残虐行為を知っている人たちもいると思います。しかし私は(同じ敗戦国の)ドイツが戦後たどった道を日本はたどってこなかったと思っています。それは国民を「再教育」する努力を行わなかったということです。

 戦後、日本を占領した米国の捻じ曲がった戦争観に沿った歴史の見方の結果、日本国民はある意味、米国から自立できなくなってしまったのではないでしょうか。米国に異を唱えた日本の首相がいたでしょうか。

 私には、ドイツが日本のたどるべきだった道筋を示しているように思えます。たとえば(2003年の)米国のイラク開戦にドイツは反対しました。そのことでドイツは世界に、道徳的な模範を示しました。しかし日本は開戦を支持しました。<次に続く>