市民団体の「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」の天笠啓祐さんによると、日本に出回る遺伝子組み換え作物は、アメリカ産を中心にトウモロコシが飼料などに消費量全体の85%、大豆は油など81%、ナタネも85%と試算します。日本の表示は、納豆や豆腐、おから、みそ、ポップコーンなど一部の食品だけです。複数材料の食品は、重量の上位3品目に遺伝子組み換え食品が入っていなければ、表示しなくてもよいことになっています。食用油やしょうゆは、組み換え遺伝子(DNA)やたんぱく質が除去・分解されているとして表示対象外です。

 一方、欧州連合(EU)では全食品が表示の対象です。日本はアメリカの圧力を受け入れ、どんどん緩和されていますが、TPPに参加すれば問答無用にアメリカのルールが押し付けられます。遺伝子組み換え食品の安全性不安では、昨年9月、フランスのカーン大学の研究者が一生にあたる期間、食べ続けたラットの実験をしています。遺伝子組み換えのトウモロコシを食べたメスのラットほとんどが癌(がん)になりやすいという結果が発表されています。
【2013年4月29日付しんぶん赤旗に掲載】