白鴎大学教員でプライバシー・インターナショナル・ジャパン代表の石村耕治さんの話

 日本が共通番号を導入するのは、時代錯誤で、世界の流れに逆行しています。アメリカが社会保障番号を導入た1930年代は、ネット取引がない時代で、1つの共通番号をいろんな分野に一生涯使うことでも、不安がありませんでした。

 しかし、なりすまし犯罪が多発し、日本とは逆に、共通番号から分野別に異なる番号へ変えてきています。今でも、ハッカー被害は絶えないし、企業などから情報流出など、個人情報の漏えいやプライバシー侵害は大問題になっています。

 現在、年金番号や雇用保険などは分野別に管理されているため、流出した番号を変えればいいだけです。1つの番号が多目的に利用できる共通番号では、こうはいきません。

 システム構築を受注するIT企業からすれば、問題が発生して事業費が膨らめばふくらむほど儲かります。事業のための事業、「IT利権」のための制度のような気がしてなりません。

【2013年3月30日付しんぶん赤旗に掲載】