◆一連の衆院選無効訴訟で違憲判決が相次ぎ、戦後なかった選挙無効判決も2件出ました。違憲立法審査権を持つ唯一の国家機関である裁判所が違憲や無効の判決を出したことは、きわめて重いものです。現行の小選挙区制は当初から「1票の格差」が2・3倍以上あり、日本共産党は「国民主権と投票価値の平等という憲法原則を二重三重に踏みにじる違憲の立法であって、断じて許すことができない」(東中光男衆院議員=当時、1994年11月)と一貫して反対してきました。

◆ ところが、自公民などが小選挙区制度に固執し続けた結果、昨年12月の総選挙では、「1票の格差」が2・43倍にまで拡大しました。違憲・無効判決は小選 挙区制にしがみつき、「0増5減」などなどのという小手先の対応でことを済ませてきた自公民などの責任を厳しく断罪したものといえます

◆今回の判決を受けて、識者からも「小選挙区制自体が定数不均衡の是正がしにくい。周辺の選挙区に影響するから。比例代表にすれば定数不均衡はない」(政治学者の小林良彰氏、26日の民放テレビで)との声が出ています。
日本共産党市田忠義書記局長が指摘したように、「投票価値の平等、民意を反映する制度にするために、比例代表中心の制度に抜本改正することを急いでやることが求められている」のです。

◆ そうしたときに、自民、公明、民主などが比例定数削減を唱えているのは、違憲判決と関係がないばかりか、民意を切り捨てる筋違いの議論です。もともと小選 挙区制は、民意を大政党優位にゆがめ、4割台の得票で8割の議席という“虚構の多数”を生み出す根本的欠陥があります。昨年の総選挙では当選者以外の得 票、いわゆる「死票」が得票総数の53・06%に上りました。民意をゆがめ、切り捨てる小選挙区制度をきっぱり廃止する決断をするときです。そして、比例 代表中心の制度への抜本改革のなかで、「1票の格差」をなくすべきです。

【2013年3月27日付しんぶん赤旗に掲載】