圧倒的な強さだった。白鵬は右から張って豪栄道の出足を止めると、すぐに左上手。「豪快に決めてやろうというのはあったのかな」。土俵にたたきつけるように投げ、13連勝で優勝杯を奪取した。2人の先輩横綱の記録に追いついた。

 優勝回数24度は北の湖に、4度目となる13日目の優勝決定では千代の富士と並んだ。「名横綱と肩を並べたことはうれしく思う」。自然と頬が緩んだ。残りは全勝優勝へ向かう2日間。「いろいろな記録の中で、全勝は特別なものがある」。9度目となれば、目をかけ続けてもらった大鵬を超え、単独1位となる特別な勲章を手にできる。

【2013年3月23日付しんぶん赤旗に掲載】