生活保護を求めていた市民の申請を埼玉県三郷市が拒否したことなどに対し、市に損害賠償を求めた「三郷生活保護裁判」でさいたま地裁(中西茂裁判長)は20日、原告勝利の判決を出しました。裁判は、三郷市在住の夫婦が2005年1月から数回にわたり生活保護申請をしたのに対し、同市が1年半にわたって拒否。06年6月に生保開始から2か月後に市の指導で東京都内に転居させられ、生保を受けられないと誤信させられたことに対し、約1000万円の賠償を請求したものです。

 判決は世帯主が白血病に倒れ、一家が生活に困窮していたことなど、原告が生保を受ける必要があると認識できる状況にありながら、市が申請を拒否したことに対し、職務義務違反と認定。都内への転居を勧めた際に、転居先で生保の相談にいかないよう述べたことに対しても、少なくても過失があるとして、原告の主張を認め、市に537万円の損害賠償の支払いを命じました。原告弁護団の中山福二団長は「原告の主張の9割が認められ、全面的勝訴だ」と述べました。

【2013年2月21日付しんぶん赤旗に掲載】