今週の「しんぶん赤旗」日曜版(2月10日付)にバルセロナ5輪の金メダリスト・古賀稔彦(としひこ)さんが登場し、柔道界から体罰をなくそう」と呼びかけています。その一部を紹介しますが、ぜひ全文をお読みください。長文なので2回に分けて投稿します。すばらしい考え方に感動すると確信します。

◆柔道全日本女子・園田隆二前監督による選手への暴力など、スポーツ界の体罰、暴力が重大な社会問題になっています。そんな中、柔道の金メダリスト、古賀稔彦(としひこ)さんは「指導者は体罰をやめよう」と呼びかけます。古賀さんに、スポーツのあり方にも向けられたメッセージを聞きました。<和泉民郎記者>

 私は体罰をしたことはありません。むしろ、それは指導の放棄だと思っています。でも柔道界では、今回の一件にもみられるように、体罰をする指導者が多い。大会では選手が殴られる姿があたり前にあります。それは、選手の成長を止めてしまうし、人間不信になりかねないと危ぐしています。体罰をなくすために提案したい。今回のことを機に、すべての大会で、指導者の体罰、暴力をやめようと宣言すること。文章にして配るなど、柔道界あげて体罰をなくす努力をすべきだと思います。

◆昨年末、私は総監督を務めるIPU環太平洋大学の道場で少年大会を開き、あいさつしました。「子どもをたたき、罵声を浴びせる指導者がいます。でも、(柔道創始者の)嘉納治五郎先生は何のために柔道をつくられたか。『精力善用』『自他共栄』。-他人の役に立つ人間になろうということです。指導者はみな嘉納先生の代弁者です。そのことを理解すれば一人一人がどんな指導をすべきか見えてくるはずです」 その大会は、指導者による罵声も殴る場面もなく、子どもたちはいきいきと柔道をしていたのです。<次回に続く>