4日、柔道女子ナショナルチーム選手15人が発表した文書を読みました。指導とはほど遠い形で園田監督によって行われた暴力行為やハラスメントにより、心身とも傷ついた実態が克明に書かれています。監督の存在に怯えながら試合や練習する一方、代表選手・強化選手として責任を果たさなければとの思い。培ってきた柔道精神から大きくかけ離れた現実との間で悩み続けてきた選手の苦悩が綴られています。しかし、柔道連盟やJOCの対応は鈍感です。これでは問題を根絶できる筈はありません。

 いまこそ15人の決死の思いを真正面から受け止めて、学校教育からプロスポーツまで暴力を一掃する対策が求められています。一部にこの問題がオリンピックの東京招致に影響を与えることを心配しているむきがありますが、そんなケチな考えこそ捨て去るべきです。元巨人軍の桑田真澄さんなど暴力に断固反対の監督やコーチ、スポーツの指導者はたくさんいます。国民的議論を起こし、暴力根絶の国論をつくりあげましょう。そうすれば世界中が「東京でオリンピックを開こう」と歓迎してくれるでしょう。