「いつもながら入念な準備と周到な組み立てで首相に迫った」。朝日新聞3日付の編集委員コラム「政治断簡」は、日本共産党志位和夫委員長が衆院本会議(1月31日)で行った「慰安婦」問題の質問をこう評しました。記事は、「従軍慰安婦の『筆舌に尽くしがたい、つらい思い』に触れる(安倍晋三首相の)答弁を引き出した」のが志位氏だと紹介しました。安倍首相は、日本軍「慰安婦」への「おわびと反省の気持ち」を表明した「河野官房長官談話」の見直しを公言。その口実に、当時の日本軍が女性を強制的に連れて行って「慰安婦」にした資料がないからだと主張していました。

 衆院本会議代表質問で
志位氏は、この議論が成り立たないと批判。河野談話の作成に直接携わった石原信雄官房副長官(当時)の証言をもとに、強制性を裏付ける物証が見つけられなかったもとで「慰安婦」だった女性16人からの聞き取り調査を行い、作り話ではないと政府が判定し、河野談話とした経過を明らかにしました。「文書はないから強制はなかった」という議論は成り立たないとの志位氏の追及に、安倍首相が「この問題を政治問題・外交問題化させるべきではないと考えています」として、これ以上の発言は「差し控え」ると答弁しました。

 コラム「断簡」は「首相側にも、これを機にこの問題についての姿勢を整理して明らかにしておこうという考えがあったのかもしれない」と推測し、「それも、
志位氏の質問があってのことである」と指摘しています。
【2013年2月4日付しんぶん赤旗に掲載】

松下ゆたかのコメント もし、この問題を安倍首相が政治問題化していたら、日本はアジアのみならず世界からも孤立し、軽蔑されたでしょう。志位質問の果たした役割と意義は極めて大きかったと考えます。議席減による質問時間の削減(15分)のもとで、安倍晋三氏の認識を変え、国家的恥辱発言を封印させたことは素晴らしい。志位和夫さんと共産党、そして「朝日・コラム」にあっぱれ!