2006年11月に札幌市の陸上自衛隊真駒内駐屯地で、沖縄県出身の自衛官だった島袋英吉さん(20)が素手格闘訓練中に死亡し、両親らが真相解明と国への損害賠償を求めている「命の雫(しずく)裁判で1日、島袋さんの死亡にかかわった自衛官3人と島袋さんの両親らの証人尋問が札幌地裁で行われました。

 自衛隊では対テロ戦争やゲリラ対策で素手格闘訓練が強化されています。自衛官らの証言から、事件は隊内で行われる素手格闘訓練の競技大会に間に合わせるため、格闘技では素人同然の島袋さんを相手に危険な訓練を強行する中で起きたことが浮かび上がりました。証言に立った当時の指導教官は「勝つためには力いっぱい殴れ」などとけしかけていたことも認め、「今思えば未熟な指導だった。後悔している」などと証言しました。母親の律子さんは「沖縄には命(ぬち)どぅ宝、命こそ宝という言葉があります。こんなことは二度と起こさないでください」と涙を流しながら訴えました。

【2013年2月2日付しんぶん赤旗に掲載】

松下ゆたかのコメント これは「過失致死」の域を超えているのではないか。無防備の青年に対し、「力いっぱい殴れ」と命じれば、重大な結果を招くことは分かっていた筈であり、組織的な犯罪として、厳罰に処すべきだ。安倍首相は「自衛隊というが外国では軍隊と見られている」と“国防軍”を合理化している。人の命を軽視する暴力組織については国民の監視をこれまで以上に強化しなければならないと考える。