大津市立中学校におけるいじめに関する第三者調査委員会がまとめた報告書では、大手メディアの取材・報道のあり方について、厳しい批判がされています。特に、読売新聞の2012年12月23日付の「自殺といじめ因果関係明示へ」という長官記事でした。加害をしたとされる生徒および保護者が委員会の設立趣旨、中立、公正な調査姿勢に理解を示し、聞き取りに応じ、自分の気持ちを話し始めていたといいます。2回目の聞き取りが終了し、最後の聞き取りが予定されていたまさにその日に、生徒の保護者が「読売」の報道を知り、委員会との信頼関係が壊れたとし、聞き取りを拒否しました。委員会は、「読売」に記事の撤回、謝罪を求めましたが、同紙は拒絶。委員会は、これに抗議する声明を出しました。

 報告書は「読売新聞社の虚偽の記事は、生徒に振り返りの機会を永遠に奪った。大人は信用できない、社会は信用できないという不信感を与えた」とし、メディアに対し、「何のために、いじめに関する報道をしているのか」と報道と存在意義そのものを厳しく問うています。

【2013年2月2日付しんぶん赤旗に掲載】