◆大前ちなみさんー「発言する保護者ネットワークfrom大阪」の代表
 橋下市長は今回の問題で、桜宮高校のすべての生徒、保護者らが責任を負うべきであるかのような発言を繰り返しました。市長は自分のこの発言が、子どもたちを傷つけていることに気づかないといけない。いま急いでやるべきなのは、教育・スポーツ・心理学など専門家で構成された第3者機関による調査です。生徒たちが彼の死と向きあい、考える機会を学校の中で持てるよう、ケアする体制も必要です。

 上から「禁止」や「命令」を振りかざすことは、体制の延長線上にある同じやり方です。これでは体罰の温床をなくして本当の解決を実現することは難しいと思います。


◆弁護士伊賀 興一さん
 橋下氏の発言は、明らかな教育行政への介入で、度し難い発想です。他の市長がいったらマスコミは袋だたきにするでしょう。あの物の言い方がまともに扱われていること自体が異常です。橋下氏の発想は“学校はつぶさんと直らへん”という、いわば体罰に対する敗北主義です。体罰を無くすのは外からしかできないと思っている。教育現場での解決に展望を持てない、もしくは持たないという橋下氏に問題の解決はできません。現在、橋下氏は教員の総入れ替えを言っています。これは問題解決の妨害で学校解体です。これとの対決が私たちに求められます。同時に、今後は生徒を問題解決の主体にするという議論が必要になります。そこをバックアップしていかないといけないといけないと思っています。

【2013年1月27日付「赤旗」日曜版